来年の話をすると鬼が笑うというけど、年が明けても昨年の記事をちまちま更新する人のことを指す表現ってないのかな。鬼がへそで茶をわかすかな。同じじゃねえか。
ということで、昨年12月前半に行ったソロキャンプの話です。鬼だけじゃなく本人ももうめんどくさいいいんじゃないかな、という気になっているのだけれど、沈み込んだ腰をよっせとあげて。
私のソロキャンプには積ん読解消というテーマがつきものなので、今回も長編小説1冊におともしていただきました。選んだのはこちら。
友人に「焦げた肉」と言わしめた左の黒い物体については
別記事で解説しますので、今はスルーしてください。
積読歴はそんなに長くない。1年ちょっと。過去に読んだ短編集『神を見た犬』が、全体的に不条理な話が多いけれど物語の妙を感じて好きだったため、それ以来気にはなっていた長編を八重洲ブックセンターで見かけて購入しておいたもの。
無事キャンプ中に読み終えた、といいたいけれど、今回何かと忙しいキャンプだったのもあって、チェックアウト後も帰路の途中に読んでぎりぎりで読み終えた。その感想はというと、
人生を感じさせる物語だった。
くらいの凡庸なものしか思いつかず。汗。
いや、もっとあるでしょう、ほら、と絞り出そうとしたところで、
砦で何か起きそうな話だった。
くらいしかでてこず。汗。
己の感想力の弱さを感じます。
なんだろう、ブッツアーテイといえば幻想小説とされているような、実際わたしも短編集はそのように読んだんだけれど、それがこの小説に手を伸ばすきっかけでもあったわけだけれど、その紹介はこの長編にはそぐわない気がする。砦に捕らわれた、という点ではぞっとしなくもないけれど、何か不思議が起きるわけではない。状況は多少特殊だけれど、ひとりの男の人生として、似たようなことがどこかで起きていそうと感じる物語だった。
感想って、好き嫌いに関係なくするする出てくる時と出てこない時がある。無理に絞り出そうとしてもこれ以上のものが出てくる気配ないし、一冊の本(人生)と向き合い終わりまで見届けた、という感覚だけは残ったので、よしとします。逃げ。
まあでも、それだけで記事を終えるのもなんなので、今日は、読書系ソロキャンプの視点から、わたしが重きを置くようになったキャンプグッズについて書くことにします。
その1. 椅子。
椅子は本当だいじ。座り心地は読書時間の質に直結する。といっても、こちとらバジェット系徒歩キャンパーなので、重さと値段は軽いにこしたことはない。なので、お高いあれやそれではないことはおことわりして、現時点で所有しているのは、この2つ。
最近よく利用しているのは、持ち運びという観点から、向かって右側の茶色い方なのだけど、長時間座って読書をするには、左のLogosの方が圧倒的によい。座面が広く、あぐらだってかける。座高が低いのもいい。ついでにいえば柄も好き。しかしいかんせん重い。余裕で2kg以上ある。準備の段階で、今回こそはこっちを持っていく!と選んでも、他の荷物の重さに負けて茶色い方に変える、というのを毎回繰り返している。
過去キャン画像。
まあでも茶色い方も悪くはないのです。4000円だかだったのを楽天のポイントでゲットしたものだけど、丈夫だし役立ってくれている。ただこっちは座高が高い。長時間読書において背もたれの高さも重要なポイントなので、その点では及第点ではあるのだけど、もう少し座高が低ければなあ。足が落ち着かない。焚火や調理の際にもなにげに不便。テントの前室に入れると天井につっかえるから室内での読書には難あり。
今後、1番目の椅子を持っていくために他の荷物を減らすか、お金出して1番目の形状で軽量のを買うか。でもなかなかこれというのがない。1kg以下で、背面が高くて、座高が低くて、あぐらがかける広さのある椅子、どこかに落ちてないかな。
その2. 灯り
せっかくのアウトドアだし、基本日の光の下で明るいうちに読むのが一番とは思うのだけど、実際目のためにもそうしたほうがいいと思うのだけど、やっぱりさ、ほら、テントの中で寝袋にくるまってとか、焚火にあたりながら読書したいじゃないですか。したいわけですよ、わたしは(机どん)!
なので、灯り選びもやはりだいじ。こちらも重さと値段も検討事項ではあるけれど、さらに重要なのが明るさとバッテリーの持ち。以下迷走の歴史。
向かって左から。
初代はSuaokiというメーカーの蛇腹のLEDランタン 。楽天だったかな。軽量さと、ソーラー充電とUSB充電ができるというので選んだ。でも初キャンプ時、しっかり充電して持っていったのに、2日目の晩早々に切れた。1日目の夜だってそんな使ってなかったのに。さっそくUSBにつないだけれどなぜかつかなかった。むむう、使えな・・・いいさ、明日になればソーラー充電がある。しかし、情弱な私は、いざお日様の下においてみて、いつまでたっても充電できないこんな雀の額ほどのソーラーパネルじゃポイズン(字余り)ということを初めて学んだ。そんなわけで、3日目の夜は 、夜間のトイレ移動用LEDヘッドライトとスマホのライト以外は、灯りなしで過ごした。当然夜の読書タイムはなかった。暗闇の中で、軽さだけで選んではだめだ、バッテリーの持ちはだいじ、と、こぶしを握り締めながら心に刻んだ。
左から2番目は電池式のGentos。ソーラー充電には懲りたし、SuaokiでUSB充電がうまくいかなかったのは謎だけど、いざ使えないのでは話にならない。どっちにしても充電器はスマホ用に取っておきたい。なので、確実さを取って多少重くても電池式にしよう、と思った。調べて、評判よさそうで、重さも許容範囲のGentos explorer Sol-036Cというのにした。単3電池6本必要、しかし3本でも問題なく使えると。これはいい。実際、3本でも十分3泊をまかなえた。しかし情弱は知らなかった。ゆえに考慮していなかった。アウトドアの夜に必要な輝度というのを。380ルーメン。暗すぎる・・・。電池の持ちの安定感はあったものの、なんかあちしんとこだけ微妙に暗いんですけど~、というわびしい夜を過ごした。
そんなわけで、3番目の黄緑のやつは明るさを重視。しかしすみません、安さで選びました。アマゾンで。覚悟はしていたものの、届いたものを実際に持つとずっしりと重かった。単1電池3つを入れるとなおさら重い。しかもでかい。でも、2~3泊のキャンプでの明るさは(バッテリーの持ちも)申し分なかった。1000ルーメンあれば、アウトドアの夜は快適に過ごせるというのをここで学んだ。荷造りのたびに、重いなー、邪魔だなー、と思いつつ、持っていきさえすれば、明るさの満足度が高いので、何度か使った。
・・・とはいえ重いものは重い。そんなわけで原点回帰。重さと明るさの両方を考慮し、このキャンプに行く直前の11月に楽天で購入したのが、4番目(右端)のARJANというブランドの充電式LEDランタン。
そうなの、充電式なんです・・・。Suaokiで文句たれたどの口が、なんだけど、結局USB充電にも回帰。やっぱり軽さには変えられない。光を弱・中・強の3段階(調色も含めると9段階)で調整できて、MAXが1000ルーメン、満充電だと「弱モードで最大90時間の連続点灯」とのこと。期待できる。で、実際に使ってみたところ、明るさは十分だし、軽くて使い勝手もよく、ついに理想を見つけた!と思っていたのだけど、2泊目の夜、日が暮れて焚火タイムに入ったあたりで切れた。でも、これは、ARJANの肩持つわけじゃないけど、1泊目から強モードで何時間も使っていたので自業自得かもしれない。実は、初回キャンプ時よりは充電器の容量も大きいのを持っていくようになっていたので、太っ腹になっていたというのはある。真冬の気温のせいもあるかも。とはいえ、中モードでも明るさは十分だったので、次はセーブして使おう。
ただ、気前よく強モードで使っていたのは、実は、もうひとつ隠し玉があったせいもある。
隠し玉というか、保険として、夏頃に寝室の読書灯として購入していた超小型の充電式クリップライトも持っていっていた。これは9月に行ったほったらかしキャンプ場で、すでに便利さは実証済みだった。もちろん明るさはメイン使いにするには心もとないけれど、それでもGentosよりは全然明るいし、ARJANと同様調光が可能。室内で本を読む分にはまったく問題ない。クリップがあるので、帽子なり衣服なり本なりにはさんで、紙面をピンポイントで照らせるのも読書向き。なんといっても、バッテリーの持ちがよい。ついでにいうと、トイレや炊事場への夜間の移動時も使える。サブ使い用とはいえ、総合的な便利さでは、正直クリップライトが一番かもしれない。しかも重さが70g。ARJANとクリップライト、2つ合わせて300g弱。
そういうわけで、これからしばらくは、4番目の2つ持ち(+容量十分な充電器)という形に落ち着きそうだ。
でも、キャンプグッズの種類や性能は、この数年でみるみる充実したようにも感じるし、4年以上前(2017年)に購入したSuaokiを最近買ったアイテムと比較してディスるのはフェアじゃない気もする。し、先日試しに太陽の下にしばらくおいておいたら、普通に復活して点灯するようになっていた。なので、非常時には使えるな、とまだ捨てないでいる。←こうして増えていく。
冬のキャンプでは手をずっと出しておくことになるので手袋だいじ、とか、ほかにもちょこちょこあるけれど、まずはなんといっても椅子と灯り、この2つでしょうか。わたしにとっては。
ちなみに、Kindle ペーパーホワイトを持っていけば、灯りはなくてもいけるじゃないの、という空耳も聞こえているけど、積読解消ソロキャンプという名目においてメインは絶対に紙の本と、とほさんは頑なに決めておられるようです。めんどくさい人ですね。まあ、Kindleも2冊目以降の予備として、持っていってはいるんだけどね。だいたい1冊目で手一杯です。
とほ
ブッツアーティの短編集、全体的に不条理で不穏で、読み手を不安なまま放置する話が多かったと記憶しているのだけど、1つだけ胸にぐっとくる話があって、わたしその話で泣いてしまって、それって世界旅行前だったのだけど、その記憶を抱えたまま旅に出て数か月後、東欧にある居心地のいい日本人宿に泊まったときに、同じくこの短編を読んだという留学生に出会って、同じ小編で泣いたとわかった瞬間に、ふたりしてその場で再び顔を見合わせて涙ぐんだことがある。だから何、ではあるのだけど。別段、その後その人と何かあった、みたいな話でもなくて、でもそういう束の間の共有は、その後の人生の中で、なんてことない瞬間にほのかに灯る気がしている。事実、その人の顔ももう覚えてないのに、短編の内容さえ今語れないくらい覚えてないのに、何の脈絡もなく、互いの目に浮かんだ涙だけをふと思い出すことがある。ほんと、だから何、ではあるのだけど。