インド・デリーで学生生活中のとほです。
去る年末年始はスリランカで過ごしました。知人が年末年始を過ごすというのでそれに合わせて行くことにしました。学生の身で節約モードなのと、バラナシで過ごしたい気持ちもあったので迷いましたが、最終的に行くことにしました。
今日の記事は、往復で利用したスリランカのLCC、フィッツエアの搭乗経験について。
スカイスキャナーで航空券を探していて出てきた名前。聞き慣れない航空会社名、調べてもレビューや搭乗経験を書いたブログなどが見当たりませんでした。それもそのはず、国際線の旅客機として飛び始めたのはこの数年で、前身は貨物輸送の航空会社(旧名ExpoAir)だったようです。
2022年にコロンボ⇆ドバイ間から国際旅客輸送を開始、2024年現在飛んでいるのはコロンボから、ドバイ、チェンナイ、ダッカ、モルディブの区間のみ。
日本人でインドからスリランカに行くルートを辿る人自体が少ないだろうし、日本語で書かれたレビューが少ないのも当然といえば当然。
で、なぜそのフライトを選んだかというと、ひとえに安かったから。あとレビューがないなら自分が乗って様子を見てみよう、あわよくばブログのネタにしよう、という気持ちも少しありました。
ちなみに、スリランカに行くのは二度目。
前回(2015年)もインドからの移動で、その時はマドゥライ⇆コロンボ間をインドのLCCスパイスジェットで往復しました。往復約15500円。
今回はチェンナイ⇆コロンボ間で往復約33000円。コロナ禍以降&年末年始ということもあってか、一ヶ月前の予約でこれが私が探す限りの最安値でした。
つっこみQP
ちょっと待ってチェンナイ発? あなた、デリー在住ですよね?
そうなんです。デリーからチェンナイまでは電車で移動しました。
なんでそんなルートを取ったのかといえば、ひとえに安かったから(二度目)。一番安く行けるルートを模索していました。効率でいけばデリーから直行便でコロンボに飛ぶのが一番早かったんですが。
でもまあ、インドの寝台列車での移動が嫌いじゃないのもあり。嫌いじゃないどころかデリーに来てから一度も長距離旅をしていなかったので、むしろ寝台移動がしたかったくらい。
でもさ、いくら嫌いじゃないからってデリー→チェンナイの移動時間は36時間だよ。少しでも遅れたら2日間コース。遅れることで有名なインドの長距離列車のあとにフライトを持ってくるのは無謀では?
こらキューピー、遅れることで有名とか言うな。大丈夫。インドの列車ね、意外に遅れないの。結構乗ってきたけど、遅れるのはだいたい北部、それも霧が発生する時期とかだけなの。南にくだる方面はわりと大丈夫なの。インドの名誉のためにもそこは声を大にして言っていきたい。
とその時は思っていました。
列車、余裕で遅れました。
そのうえ
ええと。それでは、そこはかとなくちりばめた伏線を回収すべく経過をたどっていくことにしましょう。
チケット購入
一か月以上前の11月後半にフィッツエアのサイトで購入しました。とりたてて問題もなくスムーズに完了。日本発行のクレジットカードで問題なく支払いできました。インドでは日本発行のクレカがはじかれることが多いので助かりました。
搭乗3日前
搭乗の3日前に、リスケジュールのメールと留守電がスリランカから届いていました。
We regret to inform you that the flight ◯◯ which was set to depart on the 〇th December from MAA to CMB has been rescheduled due to operational reasons , which is totally beyond our control.
みると、乗る予定のフライトが3時間前倒しになっている。
元のフライトは列車到着予定時刻の8時間後。チェンナイは、街の中心部から空港までの移動が簡単かつ短時間ですむので(終着駅のチェンナイ中央駅からメトロで空港に行くつもりでした)、本来なら余裕で間に合う時間です。
それが3時間も前倒しとなると。それでもまだ間に合いはする。なにごともなければ。
遅れる る る る
ことで で で で
有名な な な な
脳内にこだまするキューピーのつっこみ。
「インドの電車は遅れる」伝説をなんとか覆したい私ですがそれでも、フライトを予約する時に、電車の運行状況をリアルタイムで確認できるアプリixigoで、乗車予定の列車の運行状況を確認してはいました。11月下旬の時点では、先の一週間は遅れが発生していなかったので安心していました。
関連記事:インド寝台列車移動時の食を快適にするアプリ、Food on Track
が。フィッツエアからのリスケの知らせのあと、あらためてそのアプリで一週間前からの運行状況を確認したところ、遅れが発生していることがわかりました。毎日、それも日によっては6〜7時間。
ヤヴァい。
年末年始ということでさすがに遅れが出ているのかも。
電車の方は変更できないし、キャンセルしたとてもう他にチェンナイに行く方法なし。
それにしてもフィッツエアももっと早く言ってくれればいいのにねえ。
あ、ええと、早く告知してくれてました。この時は気づかなかったのですが、あとでメールを確認したら一か月前には告知メールが届いていました。私が見落としてただけ。
Due to unavoidable circumstances your flight has been rescheduled.
「我々の力ではどうすることもできない」「避けられない」変更が一か月前に判明するのもその一か月の間になんとかできなかったのも甚だ疑問ではありますが、ともかく。
フライトのリスケジュールに伴い、乗客には三つの選択肢が提示されていました。
1. 新しいスケジュールを受け入れて、同日の前倒し時刻のフライトにのる。
2. 翌日以降のあいているフライトに変更する。
3. 払い戻しを受ける。
一も二もなく2を選択。
1日スリランカ滞在が減るけどしょうがない。しょうがないというか、実はスリランカ行き、このころには個人的事情により気が重くなっていたので、チェンナイの一日が増えるのは逆に嬉しくさえ思っていました。あ、じゃあカフェ巡りでもするか~、なんて。
関連記事:チェンナイカフェ巡り3選と〆のラーメン。
変更の行程はスムーズでした。スリランカからかかってきた電話をWhatsApp経由での通話に切り替え(WhatsAppでの通話はLine通話と同様わずかなデータ量のみで電話通信料はかかりません)、翌日のフライトを同じ前倒し時間で予約。電話の女性はきれいな英語で聞き取りやすく感じよく、必要ごとをさっとすすめてくれました。電話したのはフライト3日前の夜。列車に乗る前日。翌日の朝にはチケットがWhatsAppに届いていました。
前倒しのリスケはあれだけど、フィッツエア、わりとちゃんとしてるな、というのがこの時点での私の印象でした。フライト前に長距離列車を組み込むという無謀をやった自分のアホが帳消しされ、助かったような気さえしてました。実際、列車は7時間遅れてチェンナイに到着したので事実翌日に変更しといてよかった、となりましたし。
今回は選択しませんでしたが、私のチケットは本来払い戻し不可のものだったので、3の選択肢があるのもありがたかった。
いざ搭乗
チェンナイに一泊したあと、リスケされたフライトに乗るため、空港に3時間前に行ってチェックイン。チェックインから搭乗までもスムーズでした。再度の変更や遅延もなく、前倒しされた時間通りに飛び立ちました。
LCCなので最低限のサービスなのも問題なし。機内は可もなく不可もなく。係員は全員男性で、シャツにネクタイ姿、全体的に感じも悪くなく、ここでも好印象。あっという間に約1時間20分のフライトを終え、正午すぎにコロンボに到着しました。
到着したら
スリランカに着いたら荷物が破損していました。イミグレーションを通過し、なかなか出てこない預け荷物をようやく受け取ると、キャリーケースの取っ手が半分壊れ、プルアップできなくなっていました。
ここで一気に脱力。
LCCだからといってこれはさすがにそのまま引き下がるわけにはいかん、と、バゲージクレームに行って説明を試みたものの、フィッツエアのスタッフは15分後に来るといって待てど暮らせど来ず、何度も要求してようやく電話対応、写真を送るなどした結果マイナーな破損と判断されて、上部に報告しておきます、で終わり。
あのねえ、マイナーな破損じゃねえのよ、、キャリーケースのハンドルがあがらないって、旅としては致命的なんすよ。涙。だってキャリー(持ち運び)できないんだもん。
厳密には、短期旅ですから持ち上げて運べなくはない重さではありました。加えて私のはソロツーリストという、いざとなればボストンバックにもバックパックにもできる3Way仕様のソフトキャリーケース。でも、致命的は言い過ぎにしても、こちとら長時間筋トレするつもりで来てないですし、ころころ引けないのはやはり旅QOLだださがり。
とはいえ、私にも落ち度はありました。預ける時にハンドルをしまうジッパーを閉めていませんでした。というかジッパーがそういう役割と知ったのは実はほんの最近。少し前ANAに乗った時に、チェックイン時にお姉さんが「ここ閉めておきますね」と優しくいいながらチチーとしめてくれた時に、あ、そこのジッパーってハンドル保護のためだったのね、と。
でもいつもの習慣で閉じないで預けてしまってました。今までもそのままで預けて問題なかったので油断していましたが、これで旅もソロキャンプも何度もこなしてきましたし、何年も使ってきているので実はガタがきていて、たまたまフィッツエアが貧乏くじを引いてしまっただけかもしれない。
けどさあ、せめて帰りの便にしてくれよ..しくしく。
そういうわけで、2時間ほど粘ってはみたものの徒労に終わり、とぼとぼと空港をあとにしました。その日のうちにスリランカの中央部に位置するダンブッラにバスで移動しなきゃいけなかったので。
結局、キャリーケースをころころできない点に関しては、幸い?自転車のチェーンを持参していたため、それを取っ手に引っ掛けて引っ張ることで対応しました。不格好だけどしょうがない。普段なら余裕で歩く距離も、トゥクトゥクを使うなどして極力引かない移動方法を選択。
そうだ、そういえばダンブッラの宿でも遅くに到着したことでひと悶着あったんだったな…(遠い目。
帰りの便も
スリランカ滞在中に、帰りの便のリスケを知らせるメールを受け取りました。
やはり前倒し。今回は2時間、ただし今回は一か月前の告知はなく、数日前の告知のみ。こうなるとだんだん、この航空会社リスケ常習犯では、という疑惑がふつふつと。
でもまあ、わかりません。フィッツエアも年末年始の運行ということでたまたま立て続けに起きただけかもしれない。と、インドの列車には優しくてスリランカの飛行機に冷たいのはフェアじゃないので一応言ってみる。棒読みで。
ともかくも、やはり同じ三つの選択肢が提示される中、今回は1の「新しいスケジュールを受け入れて、同日の前倒し時刻のフライトにのる。」を選択。
受け入れる場合でも、変更された日程のeチケットを受け取るために連絡はしなくてはならず。早朝便になるので、割り増し料金でのタクシー予約などここでも微量ながらプラスアルファのエネルギーが必要となり。
が、相変わらず搭乗自体は問題なく、滞りなくチェックインして、可もなく不可もない機内滞在を終え、チェンナイに到着しました。
結論
エキストラコスト:
HP&MPの減少。
チェンナイでの一泊代。
キャリーケースの修理代または買い直し。
キャリーケース破損及びリスケに伴う移動費の追加。
これは今回の旅に限らずあらためて自分に言い聞かせることですが。
格安は結局格安じゃない。スムーズな旅をしたかったらお金は出すに限る。笑。
そういうわけでまた利用するかといえば、私はNOです。
まあでも軒並み航空運賃が上がっている昨今、LCCはLCCとわりきれる方、チェンナイの近くにいる方、預け荷物のない方(破損リスクがない方)、時間に余裕がある方、旅はハプニングがあってこそという方なら選択肢に加えてもいいのかもしれません。私はもう乗りませんが。というかそもそもスリランカは多分もう行かない。
スリランカ、人は優しく穏やかで、みどころも多く、食べ物もおいしく、良い国だとは思うのですが、なんというか自分との旅相性があまり良くないんですよね…。たまたま2回とも旅のリズムがうまくいがなかっただけかもしれないけれど。でも国や旅先の相性ってあると思うの。前回の旅もでしたが今回もこれ以外にもやつくこともりだくさんでした。それもこれも勉強代、無事帰ってこれただけでよかったと思うことにしよう。
というわけなので、私のこのレポートは偏っているかと思います。スリランカが好きでこれを読んでくださった方がいたら申し訳ない。ああこの人スリランカに好かれてないんだ~、と指さして笑ってやってください。
ぼやきはこれくらいにして。
それでもブログのネタにはできましたし。せっかくなので滞在中の話も、よいところだけつまんで記事にする予定です。
[おまけ] ビザについて
ビザ代は無料でした。行くことに決めて、ビザ代もなー、高いよなー、と思いながらも予算に組み込んでいたら、スリランカ政府が突如2024年3月31日まで無料を発表(最終的に4月30日まで延長されたよう)。これは助かりました。
その後、壊れたキャリーケースをインドで修理に出してみました↓
前回のスリランカ旅↓