サンライズ瀬戸・出雲も、いい!(帰省復路編)

国内旅

帰省話、続きます。

帰省先でのあれこれも書きたいのだけど、前回の記事で往路編を書いたので、勢いで復路編を先に書いてしまう。

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サンライズ瀬戸・出雲の存在が急浮上したのは、あー旅したい、あー移動したい、と思いながら、東京九州フェリーの動画を見ていた時だった。

あー旅したい、は、芋づるの栄養である。種芋をそんな栄養分で育てていると、つるはそのように伸びる。伸びた先の芋を取り込めば取り込むほど、体内はその滋養に満ち、センサーがそのように働きだす。目が自然ひっぱられるようになる。とくに某動画サイトは、え、これに興味あるんすか、じゃあこれどうすか、じゃあこれは?これは?と次々お勧めしてくるのでなおさらである。気づいたらサンライズエクスプレスの紹介動画もがっつり見ていた(ちょろい利用者)。

そんなわけで、東京九州フェリーへの興味は、私に寝台特急「サンライズ瀬戸・出雲」という啓示を与えてくれた。となると、世界旅の前もそうだったように、行ける行けないに関係なく、ルート組み立て妄想で十分遊べる人間なので、頭の中で勝手にあんな旅案やこんなルートを模索し始めたのも無理はない。それで、実際に帰省するとなったときに、じゃあ復路に使おうとなった。

しかし。サンライズエクスプレスは、下関までは来てくれない(あたりまえ)。サンライズ瀬戸は東京〜高松間、サンライズ出雲は東京〜出雲市間を結ぶ寝台特急であり、下りでは、東京から出発した列車は岡山で分割されて各方面へ、上りでは、高松/出雲を出発したあと岡山で連結されて東京へ向かう。

ということは、高松か出雲か岡山まで行かねばならない。

最初は出雲か高松から乗り込むことも考え、でも出雲は行ったことがあるから今回はパスとして、四国めぐりや瀬戸の島々への興味も少し育っていたため、高松に気持ちが傾いていた。その流れで、山口県柳井市から愛媛県松山市に渡る防予フェリーの存在も見つけたものだから、下関から鈍行、フェリー、バスを使って、1泊か2泊しながら高松まで上っていって・・・なんていう旅案が浮かんでいた。

でも、それはさすがに時間が(お金も)かかりすぎる。しがないフリーランスである。実家に滞在中は受注できても、移動の多い旅中は、依頼された仕事をふいにしかねない。そうでなくてもすでにたくさん予定を入れていたし、それ以上は危険だ、欲張るのはやめよう、さっさと帰って働かねば、という意識が働いた。しがないフリーランスである(二度目)。

そんな個人的事情はともかく、それなら、と、瀬戸内海の島には岡山からも行けそうだし、早朝に下関を出て新幹線で岡山まで行き、1日まるまる遊び尽くしてから22時34分発のサンライズ瀬戸に乗り込むことにした。

ちなみになぜ予約したのが「瀬戸」の方だったかというと、小倉駅のみどりの窓口の感じよいお姉さんが取ってくれたのが瀬戸だったから。でもそのわけはホームに行ってわかった。岡山駅には瀬戸の方が先に到着して、あとから来た出雲が連結する。先に到着した瀬戸に乗り込んで、連結を待つ形になるからだろう。

と思ったけど、どうだろう、出雲が来るのを待って乗り込むケースもあるのかもしれない。教えて、詳しい人。

ホームに行くと列車がちょうど乗り込んできたところで、連結の様子を写真に収めようと待機している鉄男さんたちがちらほらいた。

私も荷物を置いてスマホを取り出し、準備している様子の写真をとり、せっかくだから連結まで見届けて中に入ろうかな、と思うまもなく、車内から車掌さんが出てきて名前を確認され、そのまま中へ。岡山から乗り込む人はとても少ないようだった。

ここで寝台の種類を書くと。

A寝台「シングルデラックス」13,980円
B寝台「シングルツイン」9,600円
B寝台「シングル」7,700円
B寝台「ソロ」6,600円
B寝台「サンライズツイン」7,700円/人
ノビノビ座席

サンライズ瀬戸・出雲に乗るには、上記寝台料金に合わせて、乗車料金+特急料金がいる。ただ、ノビノビ座席という、個室ではなく横になれるスペースだけを利用する場合は、寝台料金がいらず、ほぼ乗車料金+特急料金のみ(正確には+530円)で乗れる。

いつか乗りたい寝台列車!「サンライズ瀬戸・出雲」きっぷ料金や乗り方など徹底ガイド |じゃらんニュース
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詳しくは上記サイトなどで確認いただくとして、

今回私が取ったのは、

B寝台「シングル」。サンライズ瀬戸・出雲で最も多い個室。

広さ的には、東京九州フェリーのツーリストAのベッドスペースを少し大きくした程度だけれど、寝間着も寝具もついていて、直立はできないまでも天井は十分高く、窓もあり、なんといっても部屋に鍵がかけられる。

目覚ましもあり、空調の調節も可能。

もう一つの一人用個室「ソロ」も検討はしたけど、見た感じ足元がぐっと狭くなっており、高さもあまりなく、荷物を置くスペースも心許なかったため、1100円しか変わらないし、今回は普通の「シングル」にした。

ちなみに総額は、私の場合変則的なので参考にはならないだろうけど、一応書くと、まず乗車券が下関―横浜間、これに新幹線こだま自由席[新下関-岡山]+サンライズ瀬戸(特急料金+寝台料金)[岡山-横浜]を合わせて、特急料金の割引が適用され、26500円程度(少しぼかしてます)。往路の東京九州フェリーの12000円と合計すると、いつも新幹線で往復するのとほぼ変わらない金額だった。

サンライズ瀬戸・サンライズ出雲 設備と料金比較

親切な上記サイト様に、山陽新幹線+岡山から乗車の場合の料金例が幾つか載っているので、博多方面から乗りたい方は参考になるかと。

さて、夜も遅いし眠気も来ていたけれど、荷物を部屋に置き、暗証番号式の鍵をかけて、さっと車内を点検することに。

車内はどこもきれい。

B寝台「シングルツイン」。

A寝台「シングルデラックス」(の廊下)。

ミニラウンジもある。

飲み物の自販機以外に車内サービスはないので、食べ物は必要なら買って乗り込む必要があるけれど、このスペースで食べたり、くつろいだりできるよう。ちょっと作業なんかも。でも、早朝に到着するので、あまりくつろぐ時間はないと思うけど。

シャワーを浴びたい人はシャワーもある。

こちらがノビノビ座席。

このように、しきりはないけれど、足を伸ばして横になれるし、頭部分は隠れる。通路に面する足側はカーテンを敷ける。

正直ここも全然、選択肢に入っていたのだけど、床が固いとか、充電用コンセントが近くにないとか、あとはやはりしきりが心もとないので、密だった場合も考えて、個室にした。とはいえ、長距離バスとちがって横になれるのは大きい。依然として今後の選択肢には入っている。その時は寝袋持参だな。

いいのかわるいのか、インフラが整っていない国などでの旅でハードな移動をしておいてよかったと思うのは、幸福度の閾値が低くなることだ。横になれるだけで幸せやーんって。本当、いいんだかわるいんだか。よいお年頃なのに。快適に越したことはないのだけどね。

さて、部屋に戻ると、部屋着兼パジャマとして持参している半そでワンピに着替え(寝巻きは用意されているので本来必要ないのだけど楽なので)、メイクを落とし、コンタクトをはずし、そのあいだにも睡魔に襲われ、1日歩き回った疲れもあって、横になったかならないかのうちに意識がなくなっていた。気づいたら降車の1時間前であった。

なので、初めての「サンライズ」寝台特急を味わいつくしたかというと、どうだろう、というところだけど、寝台列車は寝て移動する手段であるので、ぐっすり眠れたということはきっと正解なんだろう。

その日は、乗り込むまでに暖の取れる場所を優先して探すほど冷え込んだ日で、でも室内は空調のおかげで温かく、寝具も清潔で、とても快適だった。

ただ、車両を渡り歩いて気づいたのは、空いている部屋がとても多かったこと。こんなに、こんなに、こんなに快適に、眠っている間に移動できて、しかも安いのだから、使わない手はない。西のみなさん、サンライズを、サンライズをどうかひとつ、よろしくお願いします。

そして願わくば、サンライズ下関もできてほしい。サンライズ小倉でもいい。

とほ

p.s.
寝台特急の何がいいかって、睡眠の取れた体で早朝に到着するので、翌日が1日使い物になるということ。実際すっきりと元気で、めずらしく荷物の片づけもすすみ、何かと生産性の高い1日だった。

 

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